Mollusk

集積所。

日記(23-06-26)

今日は読書会を行った。参加者は六名(内一人欠席)。フーコーの『言葉と物』を、一節ずつちまちまと読み進める。一回の読書会にかかる時間は2〜3時間ほどだ。

事前準備なし。その場でテクストを読んで内容について不明瞭な点を議論しながら詰めていく、という「ゆるい」読書会なので毎度楽しく参加している。

読書会の明白な利点として、他人の読みを参照することで自身の読みの精度が上がることが挙げられるだろう。とかく自分は、普段からかなり目の粗い本の読み方をしている。そのためテクストの不明瞭な箇所も文脈から推測して「なんとなくで」読んでしまうことがしばしばある。そんなとき、不明瞭な箇所に「立ち止まってくれる」参加者が隣にいると心強い。自分が読み飛ばした箇所に改めて目を向ける機会は、テクストへの解像度を飛躍的に上げることにつながる。面白いもので、同じテクストを読んでいても「立ち止まる」箇所は人によって異なってくる。そのたびに議論は生じテクストへの解像度は上がっていく。読書会において重要なのは、個々人が自身の「立ち止まり」を遠慮なく表明できるような空気を作ることかもしれない。

読書という行為はとかく個人的な営みだと言われがちだが(事実そうでもある)、他者とともに同じテクストを同じ空間で同じ時間をかけて読むことで得られることはとても多い。特に自分のように精読が苦手な人間にとっては。