Mollusk

集積所。

椅子を買った話。

午前中に椅子が届いた。数日前にAmazonで注文したものだ。集中して本を読むためにはちゃんとした椅子が必要だと考えて、購入したのだ。

今の住居には座椅子はあるが、その上では読書に集中できない。理由の一つは、その座椅子に肘掛けにあたる部分が備わっていないことだろう。肘掛けがない椅子は、身体を外の空間に対して自由に開きすぎる。空間的に限定されない身体の前には無数の選択肢が提示される。その中から一つの選択肢を選び、実際に行為に移すと言うプロセスは自分にとってとても億劫なものである。加えて言えば、当然、提示される無数の選択肢は一つの行動に対する集中を妨げる。

座椅子は座面が地面に直接接しているため、その意味でも外の空間に対して開かれ過ぎている。シームレスに座椅子の上から地面へと移動できてしまうという構造も、行動の選択肢を増やすことに一役買っている。

今回買ったのは、脚が4本ついた、肘掛けの備わっているタイプの椅子だ。座面は地面から30cmほど離れており、楽に腰掛けることができる。肘掛けがあり、身体を覆うような構造をしているので、行動の選択肢が適度に限定される。この椅子の上では、読書中も、他の行動の選択肢が目の前をチラつくことはなさそうだ。そうであれば何にも煩わされずに読書に集中することができる

言うまでもなく、人間の行動は周囲の環境から大きな影響を受けている。そのため、行動を変えるためにはまず環境を整備しなければならない。引きこもりがちで自室で多くの時間を過ごしている自分にとって、新しい家具を導入することは、自身の行動習慣を一変させてしまうような影響力を持ちうる。その影響を上手くコントロールすることで、自分の生活をより豊かなものにしていきたい。