Mollusk

集積所。

日記(23-07-18)

前日23時発の夜行バスに乗り東京へ。6時ごろに東京に着く。走行中のバスの中は目を瞑ってやり過ごした。あまりの睡眠不足のためバスターミナルの休憩所で2時間ほど仮眠。とは言うものの5分おきに起きて荷物が手元にあるかどうか確認してしまう。8時半ごろ、人々が行動を開始すると共にようやく行動を開始する。

今日は神保町に行って古本屋巡りをする予定だったが、三田線車両故障による安全確認が発生したため、大手町駅で足止めをくらう。足止めの間、野矢茂樹の『語りえぬものを語る』を読む。所謂、「言語論的転回」以降の哲学のトピックがエッセイ調でわかりやすく解説されている。軽快な文体と裏腹に内容は濃い。50ページほど読み進めた段階で列車がやって来た。列車に乗って神保町に到着。荷物をロッカーに預けて、古本屋巡りを開始する。

帰りの荷物が増えるのを避けるため、基本的には文庫本を中心に狙って古本屋を探索する。ちくま学芸文庫講談社学術文庫岩波文庫(青)あたりの絶版本に的を絞る。松浦寿輝の『エッフェル塔試論』を見つけたものの値段が高過ぎたため購入を断念。ヴァールブルクの『異教的ルネサンス』も同じ理由で購入を断念した。

前々から読みたかったバダンテールの『母性という神話』を購入。バタイユの『文学と悪』、ハイデガーの『芸術作品の根源』も安価で購入できた。ついでにヘルマン・バールの『世紀末ウィーン文化評論集』を買って、探索を切り上げる。古本屋の玉石混淆の本棚からお目当ての本を見つけ出す瞬間の快楽は何物にも代え難い。

ドトールでアイスコーヒーをちびちび飲みながら戦利品に目を通す。うつらうつらして来たところで昔のバイト先の先輩に会うために、上野へ向かう。先輩とは実質一ヶ月ほどしか一緒に働いていなかったけれど、その一ヶ月の間に色々と仕事を教えてもらった恩がある。SNSを通じてお互いの近況は把握し合っていたけれど、実際に会うのは5〜6年ぶり。流石に緊張する。

とは言うものの、会えば会ったでなんとかなるもので、久しぶりの再会に会話が弾んでいく。ガード下の居酒屋で串焼きをつまみながら、昔のバイト先の思い出話や近況を話し合う。二軒目に移った後も、会話は途絶えずひたすらに楽しい時間を過ごした。

たらふく飲んで食べた後は、今日泊まるカプセルホテルまで見送ってもらった。また会いましょう、と約束して別れる。