Mollusk

集積所。

日記(23-06-30)

今日は檜垣立哉の『ドゥルーズ入門 (ちくま新書)』を読んでいた。ドゥルーズの初期を代表する著作である『差異と反復』『意味の論理学』の読解を中心に据えたドゥルーズ思想への入門書だ。しかし、入門という看板にも関わらず、本書の文章の記述は難解を極める。自分も内容をほとんど理解することができなかった。入門書というよりも本格的な研究書のような本だ(それでもドゥルーズ独特の用語や概念の解像度が、本書を読むことでほんの少しだけ鮮明になったので、やはり読んでよかった)。本書を読むより先に、同著者の『ベルクソンの哲学 生成する実在の肯定 (講談社学術文庫』 を読むべきだったのかもしれない。ドゥルーズの前にベルクソンありき。

自分はハードコアな哲学読者ではないので、入門書や概説書の類を読むことが多い。そのような読書の中で気づいたことは、「入門」を謳った本が決して「初学者向け」のものではないという事実である(もちろん初学者向けの入門書もたくさん存在するが)。これは今から哲学に関する本を読み始めようとする初学者たちにとって大きな罠だろう。過去の自分にも言いたいのは入門書の内容が理解できなかったからと言っていちいち落ち込む必要はないということだ。現時点で本の内容が理解できないのならそれは仕方がない。もう一度同じ本を読み直すか、他の本を読んでからその本に戻ってくるかしかない。